電力会社は、電圧の違いによって低圧、高圧、特別高圧という種類の電力を供給しています。
通常、一般家庭や商店などでは低圧という50キロワットの電力を使用しています。
高圧は50から2,000キロワットの施設を対象にしている電力です。
更に電力の高い特別高圧とは契約電力が2,000キロワット以上の大規模施設を対象としていて受電電圧が2万ボルト以上の電力となります。
特別高圧を使用する施設には、規模の大きな特高受電設備や電気主任技術者などの配置が必要になるなど特別な配慮が必要になります。
このようなことから、特別高圧を使用している施設では、その維持管理の費用が必要になる、安全管理についての規制が厳しいことなど十分な体制が必要になります。
特別教育を実施する意味について
特別高圧電力を使用する施設は、大規模な工場や商業施設、オフィスビルなどです。
特別高圧を利用していく場合、施設に電力を直接引き込むための送電線などが必要になります。
また、特別高圧電力を使用するためには必要な設備の設置や電気主任技術者などの配置が必要となります。
特別高圧電力を使用する施設では、労働安全衛生法によって特別教育を行うことが義務付けられています。
特別高圧を使用している施設で実施される特別教育とは、危険性が伴う特定の業務を行う場合に必要となる専門的な教育のこととなります。
特別高圧を取り扱う施設で実施される特別教育では特別高圧を使用している施設において電気が原因で発生した災害に対する適切な作業方法が実施されます。
適切な作業方法としては保護具の知識や災害を防ぐために必要な知識や技能を作業者に対して教育していくものとなります。
また、この特別教育というものは危険または有害な業務に対して、事業者が行わなければならない法定教育とされているものです。
この特別教育は、電気工事士というような資格の有無に関わらず特別高圧を使用する施設では実施することが必要とされています。
特別教育の内容について
特別高圧という高い電圧を使用する大規模施設では、特別教育の実施が義務付けられています。
特別教育の実施方法については各企業内で実施するほか、企業外で実施する方法があります。
この特別教育は、労働者が特別高圧の業務に携わる際に発生する可能性のある労働災害を防ぐ目的を持っていることから事業者の責任おいて実施されなければならないとされているからです。
特別教育の内容については、安全衛生特別教育規定などに教育時間や科目についての詳細が決められています。
この特別教育の講師についての資格などの要件は特別に定められていませんが、特別教育の教育科目の内容について十分な知識や経験を持つものが適任とされています。
また、労働者が特別教育を受講するのは労働時間内と定められています。
特別高圧を使用する施設は、通常より高圧の電力を使用することなどによりリスクが伴います。
このようなことから、万が一の事故発生時にも対応できるように特別教育などの受講義務が定められています。
特別高圧が使用されている施設は、大規模な商業施設、工場、オフィスビルなどにあたるため利用者も多いことが予想されます。このような点からも、万が一災害が発生してしまった場合には被害も大きくなることが予想されます。
このような事態にならないためにも、企業では労働災害を防ぐ目的として、被害を最小限に収めるためにも特別教育は重要なものとなるでしょう。
特別教育は、労働者が特別教育を実施している機関の講習に参加する場合や、教育内容の知識のある講師を招き企業内で講習を実施する場合など、その状況によりさまざまな方法で講習が実施されます。
特別教育を受講する対象者は、特別高圧の点検、修理、操作業務を行う者とされています。
また、特別教育の内容は学科と実技にて構成されています。
最近では、特別高圧に関する特別教育をオンラインで受講する方法もあります。
特別高圧は、非常に大きな電力を取り扱うことからさまざまな危険があります。
また、事故などが発生してしまった場合には非常に大きな被害が予想されます。
このようなことからも、しっかりと特別教育についての知識と技術を学び身につけることが、いざというときにも役立つのではないでしょうか。