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日本の電力系統ってどういう仕組み?配電線について詳しく解説!


 

みなさんは、配電の仕組みについてご存じでしょうか。

人間の血液が大動脈から毛細血管を伝わって、全身に行き渡るように、
電力も日本全国に血管のように張り巡らせた電力ネットワークによって運ばれています。

この記事では、日本の電力系統や配電について詳しく解説していきます。

 

そもそも配電とは?


通常、発電所でつくられた電力は変電所に送られ、変電によって徐々に減圧され、
配電線を伝って中小規模の工場やオフィスビル、一般家庭などの、より小規模な需要家に届けられます。

こういった仕組みを「配電」と言います。

配電線には、電柱に電線を架線した『架空配電線』と、ケーブルを地中に埋設した『地中配電線』があります。
現在、配電線のほとんどは架空配電線ですが、都心部では地中配電線も増加してきています。

電力の需要が増えれば、それに合わせて新しく配電線を設置し、
発電所や変電所が新設された場合にも、同じように送電線や配電線に繋ぐためのアクセス線を設置します。

 

日本の電力系統


「電力系統」とは、需要家の受電設備に電力を供給するための運用システムで、発電・変電・送電・配電を効率的に行います。

大容量の電力を送る基幹送電線は、電力系統の大動脈であり、発電所でつくられた電気を日本全体に運んでいます。

発電所でつくられる電力は、送電線で3相3線式により、送電される際の電力ロスを減らすため、
基幹となる長距離送電区間は高電圧で送電され、特別高圧、高圧、低圧と電圧を変えながら消費地へ送られます。

送電系統については、以下の通りです。

 


1:発電所で発電した電力を、付随する送電設備で超超高電圧(500kV)や超高圧(220~275kV)に昇圧し、送電網に送り出されます。

2:送電線で送電された電力は、超高圧変電所で特別高圧(154~187kV)に変換し、特別高圧送電線によって送出します。

3:一次変電所では、超高圧送電線からの電力を特別高圧(110~66kV)に変電し、特別高圧送電線で特別高圧の電力を送電します。

4:さらに、二次変電所(中間変電所)で、特別高圧送電線からの電力を特別高圧(33~22kV)に変電します。
そして22kV級特別高圧送電線によって、特別高圧電力を送電します。

 

配電系統と設備


配電設備は、高圧から低圧に電圧を低下させる「変圧器」、高圧線や低圧線に分けられて、各々の家庭に電力を送り届ける「引込線」、
電力の使用量を計る「電力量計」などにより構成されています。

配電系統は以下の通りです。

 


1:配電用変電所によって通常は154kVや66kV、ごく稀に20kV級送電線からの電力を高圧(6.6~3.3kV)に変換します。

2:そして、配電線から高圧電力を配電し、柱上変圧器で高圧電力を低圧(200~100V)に変換します。

3:変換された低圧の電力は、引込線を渡って各需要家に低圧電力を配電します。

 


配電系統は各需要家の受電設備と直接接続されているため、
一つの需要家の事故によって他の需要家の供給に支障が出ないように構築されなければなりません。

各電力会社の配電部門は、緊急自動車を有しており、配電線事故や天災・事故による大規模停電が発生した場合には、
この原因を解消、排除すべく緊急出動しています。

最近では、配電自動化システムによって、コントロールセンターから配電線開閉器の監視と操作が可能なため、
高圧配電線の故障時に現地に出向することなく故障区間以外の送電を行うことができ、停電時間の短縮が可能になっています。

また、日常の負荷切替作業においても、配電線開閉器を遠方にて監視・制御が可能なため、業務の効率化も進んでいます。