特別高圧は7,000Vを超える非常に高い電圧を持つ電気です。
直流や交流の区別はないもののいずれにしても強力な電気でもあります。
そして、これらの電気を配電するには送電線が必要であり、使用にあたっては家庭用の低電圧とは比べ物にならないくらい、安全に配慮した対応が求められます。
今回は、特別高圧の送電線の規格などについて解説します。
特殊な契約で供給される特別高圧
特別高圧について、そもそもどういった電気なのかを解説しましょう。
まず、さきほど紹介したように7,000Vを超える高圧な電気であることです。
契約する場合は従量料金が安いものの、管理費や維持費がかかることから、契約先は工場や大規模商業施設、超高層ビルなど一部の施設に限られます。
また、管理については2万Vまでは第三種電気主任技術者による維持管理・運用が可能なのに対し、それを超える特別高圧については第二種電気主任技術者でなければ維持管理・運用が担当できません。
このように管理や運営についても、特別高圧の場合、専門家と契約を結び、点検などの管理や運用を行わなければならないのです。
特別高圧の送電線の規制とは?
特別高圧の送電線や電線路は安全について規制が行われています。
ここでは、埋設の場合と、架空送電線の場合の2つについて解説しましょう。
埋設の場合の送電線
埋設は建物に供給する場合に行われる特別高圧の送電線です。
この場合は、絶縁電線(CVケーブル)を用いることがルールとなっており、それ以外のケーブルを使用することを避けます。
このケーブルは重量があるため、埋設専用の特別高圧の送電線として用いられています。
架空送電線の場合の送電線
架空送電線路とは、郊外などで目にする鉄塔を使用した特別高圧の送電線を言います。
この場合の送電線は、次のような送電線が用いられます。
・鋼心アルミより線:亜鉛メッキ鋼線を中心に配置し、その周囲を硬 アルミ線でより合わせた電線
・裸硬銅より線:各層反対方向に緊密に同心円により合わせた強靭な送電線
いずれも絶縁電線(CVケーブル)と異なり比較的軽量なのが特徴です。
ただし、埋設した送電線との最大の特徴は、絶縁されていないことです。
送電線が絶縁されていない理由は架空にすることによる送電線の軽量化と絶縁するためにはかなり大掛かりな絶縁処理をする必要があり、それでも絶縁しきれない場合があることです。
合理性と軽量を重視した結果、高い場所を通し、直接人が触れない状態になっているのが特徴です。
がいしを使用して地上との通電を避けることによって、特別高圧であっても安全に配電できる仕組みになっています。
もちろん、絶縁されていないので、触れることは決してできない送電線でもあります。
絶縁破壊の予防のための規制
架空している特別高圧の送電線は、さきほども触れたように絶縁されていません。
この場合、絶縁破壊といって空中放電によるショートや地絡と呼ばれる地面への電気の通電が発生する危険性を秘めています。
そのような状況にならないため、災害発生防止の観点から電気設備技術基準と呼ばれるルールによって、隔離距離が設定されているのも特別高圧の送電線の特徴でもあります。
いずれにしても絶縁されていない特別高圧は、安全に利用できるように多くの規制によって配置され、工事の際も細心の注意を払って施工されています。
まとめ
特別高圧は利用する施設の側でも大規模な受電設備の設置や電気主任技術者の配置などが必要で、送電線についても今回紹介したように特別な規制をクリアする必要があります。
今回紹介した情報をもとに、もし特別高圧の設備や供給を希望する場合は、電気工事の専門会社に相談してみましょう。
きっと特別高圧の契約から送電線による引き込みの工事などについて詳しく説明してくれるはずです。