電気工事は危険を伴うことも少なくありません。
また、高度な設備もあることから、その工事には専門の技能や知識を持った人物が当たる必要があります。
そんな技能や知識の目安として電気工事士という資格が存在します。
今回、この電気工事士の資格の解説や種類について紹介し、まとめました。
■電気工事士とは?
電気工事士は、ビルや工場、商業施設、
そして一般住宅などあらゆる電気設備の工事を安全に行うために必要な資格を持った人です。
言い換えれば、この電気工事士でなければ、これらの電気設備の工事を行ってはいけません。
また、この電気工事士は電気に関する様々な知識を持っており、
安全に工事を行うために必要な技術的な知識はもちろんのこと、電気管理の関係法規についても熟知しています。
そのため、工事の必要に応じて各種の手続きや法律的なルールについても活用できる力を持っている人物です。
当然実際の電気工事に関しても円滑に行うことができ、
安全に人と電気との関係を取り持つためのスペシャリストでもあります。
■知っておきたい電気工事士の資格の種類
この電気工事士の資格には種類があり、第一種と第二種が存在します。
これらの違いとして挙げられるのが、
少ない電圧の場所しか工事できない第二種とある程度の規模の施設の工事もできる第一種というものです。
詳しく説明すると、数字や規模によって資格の業務範囲が決められています。
例えば、住宅や店舗といった比較的電圧の低い場所でのみ工事できるのが第二種、
加えて最大電力500キロワット未満の工場やビルの電気工事までできるのが第一種です。
このように2つの資格が存在していますが、
第一種を取得することで第二種の業務範囲の工事もできる仕組みになっています。
■電気工事士の資格の取り方
電気工事士の資格の取り方についても説明します。
まず受験で合格する必要があり、それによって取得が可能です。
ただし、第二種は一般の方でも免許を取得できますが、第一種は受験ができても免許取得ができません。
第一種の場合、免許を取得するには実務経験が5年以上あるか、
工業高校の電気科か電気工事科の大学や専門学校を卒業して実務経験が3年以上経過していないといけません。
そのため試験に合格しても実務経験がないと免許が与えられないのです。
合格率はともに50%以下と低めになっています。
第二種は例年45%程度、第一種は25%程度で、これは他の資格と比較しても低い数字といえるでしょう。
試験問題は、筆記試験と技能試験を受ける形になります。
筆記試験の問題は、計算問題、暗記問題の二つが挙げられます。
計算問題の例では、第二種が足し算程度の計算で解答できるのに対し、
第一種は複数の公式を組み合わせて回答するものや掛け算を頻繁に行うものなども追加されます。
暗記問題では第二種が基本的な器具の名前などが出されるのに対して、
第一種は器具の名前がわからないと問題すら解けないという形になっています。
技能試験は簡単な電気工事を行う内容です。
第二種の場合は、簡単な工作を数か所行うだけで解答できるのですが、第一種の場合は簡単といっても、
現場において簡単というレベルであり、いくつもの箇所を工事した上に様々な装置がついているので、
それを理解し的確に作業を行わないと解答できません。
ちなみに受験資格に関しては規定がないため第一種と第二種の同時受験ができます。
両方受験して合格し、実務経験を積んで第一種の免許申請を行うということも問題ありません。
まとめ
電気工事を行うには電気工事士の資格が必要です。
この資格には家庭レベルの電圧での電気工事のみができる第二種と工場などの施設で電気工事ができる第一種があります。
第一種の方が難しく、実務経験がないと取得できません。
このような資格を持つ方によって電気の安全が守られています。