電気工事の現場で懸念される事故として「感電事故」があります。一歩間違うと大きな事故になりかねない電気工事は、危険と隣合わせだからこそ、作業現場では万全の安全対策が必要です。
この記事では、電気工事現場における安全対策について詳しくご紹介します。
感電のリスクについて
感電は体内に電流が流れ、ショックを受ける現象です。電流のレベルには軽微なものから、生命を脅かすほどの強さのものも流れています。
感電は電気工事の現場では特に注意が必要であり、事故を避けるための安全対策が重要です。
具体的にどのような状況下で感電事故が起こるのでしょうか。以下では、一般的に発生しやすい事故の例を挙げます。
漏電部分に接触する
発生しやすい感電事故の一つは漏電部分への接触であり、家庭内でも起こり得るリスクです。漏電している部分に触れると、電流が体内を流れ、感電の原因となります。
漏電は目では確認できないため、知らずに接触してしまうケースが大半です。
帯電している電線や電気器具に接触する
帯電している電線や電気器具への接触による感電が、電気工事関連の事故のなかでも多い状況です。帯電している電線や電気器具に触れた際、電気が体を通り抜けて地面に達し、感電事故にいたります。
また、電圧の異なる二つの電線に同時に触れると、ショートし、手を通じて電気が体に流れ感電してしまいます。
電気工事現場での安全対策
電気工事での感電を回避するには、作業時の安全対策が不可欠です。以下では、工事現場で行われる安全対策を4つ紹介します。
1.作業開始前の電源チェックとブレーカー確認
電気工事を行う前には、必ず電源を切り、ブレーカーが落ちていることを確かめます。
2.検電による事前チェック
電流が流れていないことを確認するため、作業開始前に検電を行うことが大切です。盤面の表示ライトの確認やテスターでの測定、検電器を使用してのチェックなどを行います。
3.絶縁と漏電遮断の確認作業
電気工事にあたっては、二重絶縁された電気器具を使用します。二重絶縁のマークがない器具は、労働安全衛生規則にもとづいて漏電遮断器の設置や接地処理が必要です。
4.通電の合図と確認を作業員同士で共有
工事完了後に通電を行う際は、事前に合図や通電の手順を作業員間で共有し、明確にします。
電気工事の安全対策での追加のポイント
電気工事での安全対策は、作業手順のチェックだけでなく着用する服装や使用する工具についても重要です。服装に関する安全対策では、長袖シャツ、専用の安全ヘルメットの着用を基本とし、足元と手元は絶縁性のある靴や手袋を装着します。
金属製のアクセサリーやライターなどを携帯することは避け、湿った手で電流ケーブルに触れないようにすることが重要です。
夏場においても、汗による感電リスクを考慮して長袖の着用が推奨されますが、熱中症対策として通気性の良い素材の作業服で業務にあたります。
工具に関しての安全対策としては、ケーブルの誤切断や配線作業中の電源線接触による感電事故を防ぐために定期的な点検を行います。電動工具や電線の接続部分に損傷がある場合、漏電の原因となり得るからです。
電気工事現場では、作業前の徹底した点検と作業員全員の安全への意識が大切です。
まとめ
この記事では、電気工事における安全対策の重要性と対策例を紹介しました。電気は目には見えないため、少しの油断が大きな事故につながる可能性があることを忘れてはいけません。
事故を未然に防ぐには、作業前の確認も欠かせません。また、工事を行う作業員同士のコミュニケーション、互いの安全確認も非常に重要です。
電気工事は取り扱いを誤ると重大な事故に発展する危険が伴います。ご家庭で電気に関する不具合が起きた場合は、ご自身で解決しようとせず専門の電気工事会社へ依頼しましょう。