事業用で多くの電力を利用するケースがあります。
この場合、一般的な家庭用電力では全く事業が成り立たないというのはイメージできるのではないでしょうか。
この事業用で大量の電力を使用する場合に知っておきたい知識として、特別高圧受電があります。
今回は特別高圧受電について紹介し、どのようなものなのか、
使用するにあたっては契約はどうするのかといった点を中心にまとめました。
1.特別高圧受電とは?
特別高圧受電は、工場など非常に大きい電力を利用する場合に行う電力会社から特別な方法で電気の供給を受けることです。
その内容は電力の大きさが消費電力1,000KWh以上の大電力になります。
簡単にその大きさを表現すると一般家庭一戸分が14kwh/日なので、
一般家庭70戸分の電力を一度に消費する電力サイズです。それだけ大きな電力量になるため、
特別高圧受電所を工場などの事業所に設置し、変電所から22,000Vという超高圧で受電します。
ちなみにこれよりもワンランク下の高圧受電でさえ、
1/3の6,600Vになりますから相当な高電圧というのがわかるのではないでしょうか。
補足として特別高圧にも触れていきましょう。
特高(とっこう)とも呼ばれる電圧を言い、直流と交流の区別はなく、
どちらの電源であっても7,000Vを超える場合を指します。送電線路におりる35kVや60kV、
超高圧である170kVなど工業地帯や地域間で見かける大きな鉄塔や電柱などを走っている電力いずれも特高です。
こういった特殊な電力を扱うのが特別高圧受電です。
2.特別高圧受電を使用するにあたって必要な契約
特別高圧受電を使用するにあたっては、電力会社と特別な契約を結ぶ必要があります。
電力各社とも一般的な家庭用はもちろん、小規模な事業用とは別の契約を用意しています。
内容は、業務用と産業用に分けられているケースが多く産業用は動力を使用する場合に契約が必要です。
また、季節別に電力量料金を設定した契約や季節別・時間帯別に電力量料金を設定した料金契約など、
比較的柔軟な契約になります。
3.特別高圧受電に必要な設備の保守管理は専門業者に
特別高圧受電に必要な設備の保守管理は、必ず専門業者が行います。
20kVまでの供給であれば、第三種電気主任技術者による維持管理・運用が義務づけられています。
さらに高圧な60KVの供給を受けている場合は第二種電気主任技術者など有資格者による管理や運用が必要です。
そういった意味で特殊な受電体制となりますから、
特別高圧受電を事業所で検討している場合は、専門業者に依頼しましょう。
実際に受電するために必要な特別高圧受電設備の更新時期や方法の相談をはじめ、
点検やメンテナンス、経年劣化診断などが必要です。
こういった点についても専門業者であればきちんとフォローアップを行います。
また、特別高圧受変電設備に関する相談や最適な電力プラント構築など新規の特別高圧受電の体制を
整えるといったことにも対応します。工場などの事業所は、用地確保や設備の設置なども重要です。
しかし、こういった電力の確保も事業所の運営に無くてはなりません。
そういった電力関係の問題を包括して解決するには専門業者に依頼するのがおすすめです。
まとめ
特別高圧受電を行う事業所は、専用の設備を開設し、契約も特別なものになります。
そういった対応をするには専門の業者に依頼するのが確実で、
きちんとした業者を選ぶことで包括的なフォローが受けられます。
初めて本格的な工場を操業する場合、こういった特別高圧受電の設備や契約などを知り、
専門業者と協力しながら進めていきましょう。