現在電力自由化により、一般家庭でも電力について少しなり関心が高まっているのではないでしょうか。
しかし、規模が大きくなると、低圧でなくなり特別高圧といった電圧が扱われるようになり、
変電からは特別高圧・高圧・低圧と区分されて供給されています。
特別高圧とは
電圧区分の中でも高圧ですから、設備規模も大きくなります。
この特別高圧、電気設備技術基準で定められているなかで、7000Vを超えるものを指しています。
この特別高圧に関しては、直流も交流のどちらの電源でも7000V以上であれば、特別高圧になります。
もちろん、運用するのは簡単ではありません。変電設備同様に、電気主任技術者が在籍していることが必要になります。
電圧の区別によって第三種電気主任技術者、第二種電気主任技術者を在籍させておくことも必要になります。
さらに、変電設備の規模によって特別高圧電力AとBに分けられていることも知っておきましょう。
特別高圧電力Aはデパートや病院などを指し、Bは規模の大きな工場になります。
料金の問題やトラブルには?
低圧・高圧よりも高価な供給となるのもポイントになります。
製造業など、規模の大きな工場であれ、維持・管理費も発生する中、電気料金も懸念材料でしょう。
しかし、意外な事実としては従量料金は安めの設定です。
また、特別高圧を使用するのは工場が多く、変電所からの受給電圧は、20kVから140kVまでがあります。
例えば、工場でどの電圧を使用するかといえば、近場の送電線です。
24時間稼働しながらであればやはり、停電時のトラブルも考えるでしょう。
例えば、高圧で契約したいのに、近場の変電所の需要が逼迫していたとしたら、
従量料金の安い特別高圧で契約をすることもできます。
さらに、特別高圧で契約したいのに、近場にはその電圧で送電できる所が無いとしたら、
高圧設備用の所から送電して停電時でも24時間体制で供給ができる仕組みを作り出せるのも知っておいて損はないでしょう。
安全性も必要になる
電気は大量の電流を流すと抵抗も大きくなる性質をもっています。
特別高圧を契約する工場では大量の電気が使われています。
利用するにしても簡単ではありません。
送電線を工場に引き込む工事が必要になり、それを引き受けるのも有資格者です。
変電所を通して工場に電気を流します。
その線を引き込むにも誰しもが一度なり見たことがあるのではないでしょうか、鉄塔の支えが必要になります。
特別高圧の電線路は安全に対しての規制が定められていますが、
例えば、地面に埋めて供給する電線路はCVケーブルを用います。
地面に埋め込むケーブルも近年、都心を中心に増えていますが、やはりまだまだ架空送電となる電線路でしょう。
しかし、表面が絶縁されていないこともあります。
地面に接触することで地絡を引き起こすのですが、このときには特段の問題はありません。
ですが、直接接触していなくても絶縁ダメージによる空中放電もあり得ないワケではなく、
感電や災害発生防止のために離隔距離が定められています。
変電所には、電圧調整をする変圧器や、電気の行き先を切り替える遮断器がありますが、
電気を集めたり、色んな所に分配したりすることにより、例えば、落雷などで部分的に線が切れたり、
電気の流れが途絶えても停電することのない仕組みが完成しています。
効率的に送電できる仕組み、それによって私達の暮らしは成り立っているのかもしれません。
電気の需要と供給が、こうした設備、有資格者によって成り立っているのであれば、
やはり電力自由化も意味があるのではないでしょうか。