特別高圧電力は、家庭で使用している電力とは比較できないほど高い電圧です。

具体的には、特別高圧電量は契約電力が2,000キロワット以上で、受電電圧が20,000ボルト以上を利用する施設に限られています。

このような施設は、特別高圧電力とされます。特別高圧電力を使用している施設は大規模な工場や医療機関、デパート、オフィスビル、鉄道業などです。

このような特別高圧を使用している場所で停電が発生してしまった場合、どのように対応するのでしょうか。

また、特別高圧電力はその電力の高さから安全に使用していくために基準などが非常に厳しく定められています。

例えば、特別高圧電力が使用されている施設では電線の半径2メートル程度に近づくだけで感電してしまうようです。

このようなことから特別高圧電力を使用している施設では災害や感電を防ぐため隔離距離が予め設定されています。

これらの工場や企業では労働安全衛生規則を厳守する必要があり、講習会への参加が義務化されています。

特別高圧電力では停電が発生するか

このように比較的多くの人々が利用する公共の場所で使用されることが多い特別高圧電力ですが、停電をすることはないのでしょうか。特別高圧電圧が利用されているのは医療機関や鉄道などです。

このような多くの人々が利用する公共の場所で停電が発生する事態は極力回避する必要があるでしょう。

しかし、特別高圧電力というのは高圧の電力という電力形式のひとつであるだけであって完全に停電を避けることは難しいのが現実です。

ですが、特別高圧電圧の場合、受電形式を本線と予備線という2回線以上にすることによって停電が発生した場合でも素早く対応し復旧させることができます。

長時間にわたる停電を回避するようにされているのです。

例えば、本線が停電した場合予備線にチェンジすることで電力を供給することが可能となります。

この場合、停電する時間は本線から予備線への切り替え作業の時間のみ。このようにして特別高圧電力が使用されている場所においては長時間の停電が回避されるように対応しています。

また、都市部などでは3回線での受電形式であるスポットネットワーク受電という形式を選択している企業も多いようです。

このようにして企業側でも万が一停電が発生したとしても最小限の被害で済むように対策を行っているようです。

複数の受電方式を採用する特別高圧電力

特別高圧電力での停電を回避するために、いくつかの受電形式がとられています。

特別高圧電力を使用している施設では長時間の停電を回避する必要があります。

特別高圧電力ではいくつかの受電方式を採用しています。そのひとつに本線と予備線という2回線以上の受電方式を採用する方法があります。

3回線を使用して受電する形式がスポットネットワーク受電となります。

このスポットネットワーク受電は逆電力遮断や差電圧投入、無電圧投入といったコントロールが可能となり特別高圧電力の中でも停電が発生しにくいシステムとされています。

万が一、停電が発生してしまっても特別高圧電力を利用している施設では本線と予備線の切り替えによって停電時間を最小限に抑え被害を少なくすることが可能となります。

また、ループ充電にて停電リスクを軽くする方法もあります。

ループ充電では別の工場や施設とループ上に配電線を設置することで受電する形式です、

このループ充電では常に2回線で受電を行っているため、たとえ1回線が停電した場合でも、停電した方を遮断させることによって別の回線から受電を継続することが可能となります。

特別高圧電力を使用している場所は大規模な工場や医療機関、鉄道、オフィス、ショッピング施設など多くの人々が利用する公共の場所が多くなっています。

このようなことから、長時間の停電が発生すると多くの人に多くの被害が予想されます。

このようなリスク回避のためにも特別高圧電力では複数回線を利用して受電することで万が一の事態に対応でき、被害を最低限の時間に抑えられるような対策が施されているのではないでしょうか。